日本高配当ETF・投資信託5本を徹底比較|1698・2529・アムンディ・Tracers・SBIのデータを横並びで見る【保有高配当商品総まとめ】(結論編)

日本高配当ETF・投資信託5本(1698・2529・アムンディ・Tracers・SBI)の選び方を、ランクづけとタイプ別早見表でまとめたたごさくの結論編記事のアイキャッチ画像

📌 保有する日本高配当ETF・投資信託 総まとめシリーズ 第2弾(結論編)

前の記事(データ比較編)はこちら →[26本目のURL・公開後に追記]
このシリーズの入口となる記事はこちら →日本高配当ETF・投資信託|私が保有する5銘柄と選んだ理由

前の記事では、保有している日本高配当ETF・投資信託5本のデータを横並びで比較しました。基本データ、利回り、信託報酬、業種、銘柄、集中度、規模、暴落局面での下落幅——かなりの量を並べたと思います。

今回は、そのデータを踏まえて私の結論を書きます。

正直なところ、これは結論が出しにくい5本でした。「この1本が最強」と言い切れるような商品はなく、むしろ並べれば並べるほど、それぞれ得意分野が違うことがはっきりしてくる——そんな5本です。だからこそ、順位をつけるより「何を重視するか」で見たほうがしっくりきます

データはあくまで判断材料です。ここからは、そのデータを私がどう読んだか、というたごさくの視点を中心に書いていきます。

ランクづけで整理する

まず、5本を項目別にランクづけして整理してみます。

先に断っておくと、このランクは絶対評価ではありません。「何を重視するか」で評価は変わるので、あくまで違いを説明するための目安として見てください。同じ商品でも、項目が変われば評価はガラッと変わります。

項目ごとに、私なりのコメントを添えておきます。

運用実績の長さでは1698が頭ひとつ抜けています。2010年からの長期データがあるので、利回りやYOC(取得利回り)の確認がしやすい。逆にアムンディは設定から日が浅く、ここはまだ評価しづらいところです。

低コストではSBIとTracersが強い。投資信託らしい低コストが効いていて、長く持つほどこの差は地味に効いてきます。

純資産規模ではSBIが頭ひとつ抜けています。純資産が大きいと運用が安定しやすく、繰上償還のリスクも下がります。1698・2529・Tracersは500億円台で、規模としては十分という見方もできます。

分配頻度ではTracersが年6回ともっとも多い。分配金を受け取る回数が多いほうが「もらっている実感」は出やすいので、ここは好みが分かれるところです。

銘柄分散ではSBIと2529が効いています。上位10銘柄比率が低めで、特定銘柄への依存が小さい。逆にアムンディは集中度が高く、ここは指数の性格そのものです。

現在利回りは、投信の短期利回りを参考扱いにしている点に注意してください。アムンディやTracersの利回りは数字としては高く見えますが、実績期間が短いので「参考A」としています。

積立しやすさでは投資信託が有利です。金額指定で積み立てられるので、SBI・Tracersはコツコツ派に向いています。ETFは口数単位なので、ここは少し不利になります。

特徴の分かりやすさでは、アムンディとTracersが分かりやすい。指数や運用方針がはっきりしているので、「何を買っているか」を説明しやすいんですよね。

純資産と利回りの散布図で見る

次に、純資産総額と利回りを散布図で見てみます。

この図でいちばん対照的なのが、SBIとアムンディです。

SBIは純資産が大きく(約2,000億円規模)、利回りは3%台。規模で安定感を取りにいくタイプです。一方アムンディは純資産が小さい(100億円弱)一方で、参考利回りは5%台と高く出ています。

ただ、純資産が大きいことには地味だけど大事な意味があります。規模が大きいほど運用は安定しやすく、コスト効率も効きやすい。繰上償還の心配も小さくなります。利回りの数字だけ見るとアムンディが魅力的に見えますが、その利回りはあくまで参考値で、規模もまだ小さい——この対比は頭に入れておきたいところです。

なお、純資産総額の基準日は商品ごとに異なるため、厳密な同日比較ではありません。規模感をざっくり掴むための図として見てください。

信託報酬と利回りのマトリクスで見る

もうひとつ、信託報酬と利回りを組み合わせたマトリクスです。

理想は「低コスト×高利回り」、つまり図の左上です。

この基準で見ると、アムンディ(信託報酬0.198%・参考利回り5.55%)が左上寄りに位置します。数字だけ見れば理想形に近い。ただ、ここでも何度か書いているとおり、アムンディの利回りは確認済み分配金2回分を年率換算した参考値です。実績期間が短いので、この位置がそのまま続くとは限りません。あくまで「現時点ではこう見える」という参考として扱う必要があります。

低コストという意味では、SBI(0.099%)とTracers(0.10725%)が安定して左側にいます。利回りも3%台で、コストと利回りのバランスが取れているタイプです。

1698と2529はどちらも信託報酬0.308%で、図の右側に寄ります。コストは5本の中では高めですが、運用実績の長さや株主還元という別の軸で評価する商品なので、コストだけで判断するのはもったいないところです。

どれを選ぶか

ここまでのデータを踏まえて、それぞれが「どんな人に向いているか」を私の言葉で整理してみます。

安定した長期データを重視するなら、まず見やすいのは1698です。運用期間が長く、公式分配金データも多いので、利回りやYOCを確認しやすい。ただしREITを含むので、株式だけの高配当ETFとは少し違う、という点だけ押さえておきたいです。

金融比率を抑えたい、または配当だけでなく株主還元も見たいなら2529が候補になります。現在利回りは平均以下で、極端な高利回り商品ではありませんが、「金融除外」という特徴は他の商品との明確な差別化になります。

減配しにくい企業や増配傾向を重視するなら、アムンディ日本・高配当株の考え方は面白い。累進配当企業に絞るという発想は、単なる高利回りとは違う切り口です。ただし商品としてはまだ若く、分配実績や下落局面での動きはこれから確認する段階です。

日経平均高配当株50指数を低コストの投資信託で積み立てたいなら、Tracersはかなり分かりやすい選択肢です。1489と同じ指数を対象にしつつ、投資信託として少額から積み立てやすい。コツコツ派にはハマると思います。

低コストで日本高配当株のアクティブ運用を持ちたいなら、SBI日本高配当株式が候補になります。純資産も大きく、上位銘柄への集中度も低め。ただし設定からまだ約2年半なので、長期評価はこれからです。

たごさくの結論:結局どう考えるか

個人的には、この5本は同じ高配当カテゴリーとして一括りにするより、役割を分けて見るのが自然だと思っています。

長期データを確認しながらETFで持つなら1698。株主還元という切り口を入れるなら2529。累進配当企業に魅力を感じるならアムンディ。日経平均高配当株50指数を投信で積み立てるならTracers。低コストのアクティブ高配当投信として見るならSBI——という整理です。

本当は、2〜3本を組み合わせて、セクターと企業規模の両方をうまく分散したいと思っています。ただ、日本の高配当銘柄はどうしても景気敏感セクターに偏りがちで、そこが私の悩みどころです。組み合わせても、結局は似たような顔ぶれに寄ってしまうことがあります。願わくば、運用者の裁量(人の意志)が入り込まない指数連動で、なおかつ採用ルールが明確な商品が、もっと出てきてほしい——これは一投資家としての正直な要望です。

冒頭にも書いたとおり、正直、結論を1本に絞るのは難しい5本でした。でも、それは「決められなかった」というより、「役割が違うから絞る必要がなかった」というほうが近い。私は実際にこの5本を保有していますが、それぞれ別の理由で持っている、というのが本音です。

ひとつ補足しておくと、高配当系の商品は分配金が将来も同じ水準で続くとは限りません。株価が下がれば利回りは見かけ上高くなりますし、分配方針によって数字はならされることもあります。だからこそ「利回りが高いから」だけで飛びつく商品ではない、と改めて感じます。

そのため、最終的には次の3つで選ぶのがよいと考えています。

どの指数・運用方針に納得できるか

どのコストなら長く持てるか

分配金を受け取りたいのか、再投資したいのか

この3つに自分なりの答えがあれば、5本のどれを選んでも、あるいは組み合わせても、納得して持ち続けられるはずです。

いつ買うか——私の宿題

商品を選んだら、次は「いつ買うか」です。ここは、私自身のいちばんの宿題でもあります。

正直に書くと、現時点(執筆時)では、AI関連に引きずられる形で日本株全体が割高水準にあると私は見ていて、日本高配当の商品はやや買いにくい局面だと感じています。だから今は焦って買うより、商品の分析を深めて「どう買うか」を固めておく時期だと思っています。

各商品について「どのタイミングで買えば今のYOC(取得利回り)が高くなるか」も見てきましたが、その答えはだいたい暴落時です。ただ、問題はそこから先で——暴落のとき、本当に買い向かえるのか。これは別の話です。値段が下がっている局面ほど、人は怖くて動けなくなるものです。

だからこそ、平常時のうちに「ここまで下がったら買う」という自分のルールを決めて、機械的に実行できるようにしておきたい。そのためには、商品をきちんと分析して、自分のなかで納得・腹落ちさせておく必要があります。これは私自身のための作業でもありますが、この分析が読んでくださる方の役にも立てば嬉しいです。

タイプ別の選び方早見表

最後に、重視するポイント別の早見表でまとめます。

重視すること候補
運用実績の長さ1698
株主還元重視2529
累進配当重視アムンディ
投資信託で積立Tracers
低コストのアクティブ運用SBI日本高配当

どの商品にも特徴がありますが、迷った場合は、まず自分が何を重視するのかを整理すると選びやすくなります。

まとめ

ここまで2回に分けて、保有する日本高配当ETF・投資信託5本を比較・整理してきました。データ比較編と結論編、長くなりましたが、同じ「日本高配当」でもここまで性格が違う、ということが伝われば嬉しいです。

次は、米国高配当ETFの比較・個別分析も書いていきたいと思っています。高配当としてはVYMやSCHD、コールオプション系の超高配当については過去に簡単な比較をしていますが、それぞれを深掘りした個別分析もしていきたいと思っています。日本高配当とはまた違った考え方が必要になる分野なので、こちらも腰を据えてまとめていく予定です。

免責事項:この記事は情報提供を目的としており、特定の投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。記載の数値・データは執筆時点のものであり、最新情報は各運用会社の公式サイトをご確認ください。

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