📌 保有する日本高配当ETF・投資信託 徹底分析シリーズ 第2弾
このシリーズでは、保有する国内の高配当ETF・投資信託を1本ずつ徹底分析します。第2弾は2529(野村株主還元70)です。以降、アムンディ日本高配当・Tracers 日経平均高配当株50・SBI日本高配当株式(分配)ファンドと続く予定です。このシリーズの入口となる記事はこちら →日本高配当ETF・投資信託|私が保有する5銘柄と選んだ理由
この記事でわかること
「2529ってどんなETFなの?」「野村株主還元70の評判が気になる」という方に向けた記事です。株価推移・分配金の増配傾向・現在の利回り水準・セクター構成・組入上位銘柄をデータで確認しながら、2529が自分のポートフォリオに合うかどうかを判断するための材料が得られます。
2529とは
2529の正式名称は「NEXT FUNDS 野村株主還元70連動型上場投信」です。対象指数は野村株主還元70(配当含む)で、国内上場株式の中から配当や自社株買い等を基に、株主還元に積極的な70銘柄を選ぶ指数です。
大きな特徴は、銀行・証券・保険・その他金融を除外している点です。一般的な高配当ETFでは金融株の比率が高くなりやすいですが、2529は金融株に頼りすぎない株主還元ETFとして見ることができます。
株価推移

取得できた価格データは2019年4月から2026年5月までです。直近終値は2,175円です。株価は中長期では上昇基調ですが、景気敏感株も多く含むため、相場全体が崩れる局面では価格下落の影響を受けます。
分配金推移

年間分配金の推移(執筆時点)
公式分配金はNEXT FUNDS公式ページを基準にしています。公式ページでは100口あたりの分配金として表示されるため、この記事では1口あたりに換算しています。
2019年の13円から2025年の51円まで、分配金は一貫して増加傾向をたどっています。直近12か月分配金は54円(執筆時点)です。
分配金は四半期(Q1〜Q4)に分けて支払われます。Q2(緑)の比率が高い年が多く、Q3・Q4でも積み上げが続く構成です。
現在利回りと平均利回り

※以下の数値は執筆時点(2026年5月)のものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 現在利回り | 2.48% |
| 過去平均利回り | 2.75% |
現在利回りは過去平均を下回る水準です。株価が上昇したことで、同じ分配金でも利回りが低下しています。やや割高な水準と考えておくとよいでしょう。
利回りを見るときは、分配金が増えたのか、株価が下がったのかを分けて考える必要があります。2529の場合も、相場が急落して株価が下がると、分配金が同じでも利回りは上がります。
配当金の実績については、【配当金公開】2026年4月は4.7万円|高配当ポートフォリオの中身もあわせてご参照ください。
YOC(Yield on Cost)
YOCは、直近12か月分配金を過去購入時点の株価で割って計算します。長期保有するほどYOCが高まる傾向があります。
| 買付時期 | 使用した買付日 | 買付価格 | 直近12か月分配金 | YOC |
|---|---|---|---|---|
| 1年前 | 2025-05-19 | 1,609円 | 54円 | 3.36% |
| 3年前 | 2023-05-18 | 1,330円 | 54円 | 4.06% |
| 5年前 | 2021-05-18 | 1,089円 | 54円 | 4.96% |
5年前に取得していた場合、YOCは約5%に達します。分配金が右肩上がりで増加してきたことが、長期保有者のYOCを押し上げています。
構成分析
セクター比率

金融セクターが除外されているため、一般的な高配当ETFとは少し違う値動きになりやすいETFです。資本財・サービスが31.5%と最大で、景気敏感セクターの比率が高い構成です。
時価総額区分

大型株中心の構成です。株主還元を重視しつつも、極端な小型株ETFではありません。REITの組み入れはなく、純粋な事業会社で構成されています。
組入上位10銘柄

上位10銘柄の合計比率は24.4%です。上位には味の素、信越化学工業、三菱商事などが入っています。上位集中度は比較的低く、70銘柄への分散が効いている構成です。
野村株主還元70の特徴
野村株主還元70は、配当だけでなく自社株買い等も含めた株主還元に注目する指数です。高配当利回りだけを追うETFよりも、企業が株主へ利益をどう還元しているかを広めに見る設計です。自社株買いに積極的な企業は株価が上がりやすい傾向もあるため、配当収入を得ながら株価成長も同時に狙えるという性格を持っています。
一方で、景気敏感セクター比率は71.99%です。景気後退や外需不安が強まる局面では株価が下がりやすく、注意が必要です。
過去に利回りが上昇した局面
2529の過去データを振り返ると、利回りのピーク水準は3.5〜3.7%台でした。純粋な高配当ETFと比べると利回りの絶対値は控えめです。これは2529が「高配当だけを狙う」商品ではなく、配当をもらいながら株価成長も同時に狙う、株主還元型ETFとしての性格を持つためです。実際、株価推移を見ると2019年以降で倍以上に上昇しており、インカムとキャピタルの両取りを意識した設計といえます。
過去に相対的に利回りが高くなった局面は以下の通りです。
| 日時 | 株価 | 利回り | 直前3か月高値比 | 背景 |
|---|---|---|---|---|
| 2023-04-07 | 1,233円 | 3.57% | -4.71% | 米景気後退懸念や金融不安後の不安定な相場に加え、4月分配金反映後の利回り上昇が重なった局面。 |
| 2025-04-07 | 1,400円 | 3.71% | -17.70% | 米国の追加関税をきっかけに世界株が急落し、日本株もリスクオフで下落。価格下落が利回りを押し上げ。 |
利回り上昇の背景は、分配金の増加だけではありません。株価が急落すると、同じ分配金でも利回りは上がります。特に相場全体がリスクオフになった局面では、2529も価格下落によって利回りが押し上げられます。3.5%を超えてきた水準が、過去データ上では「相対的に割安感が出てきた」エリアの目安になります。
今買いやすい水準か
現在利回り(2.48%)は過去平均(2.75%)を下回っており、利回り面ではやや割高な水準です。株価が上昇したことで、以前より利回りの魅力は薄れています。
ただし、2529は株主還元に注目するETFなので、単純な高配当利回りだけで判断するよりも、株価水準・構成銘柄・景気感応度を合わせて見ることが大切です。
どんな人に向いているか
2529は、日本株の中で配当や自社株買いなどの株主還元に注目したい人に向いています。金融株中心の高配当ETFとは違う切り口で日本株に投資したい人にとって、候補になりやすいETFです。
景気敏感セクターの比率が高いため、相場急落時には価格下落の影響も受けやすい点は理解しておく必要があります。景気拡大局面での恩恵を期待しやすい反面、リスク管理の意識も持ちながら向き合いたいETFです。
たごさくの結論|正直に言うと、思惑と結果がズレた1本
私は140株を平均1,631円で取得しています。YOCは3.31%と、現在利回り2.48%を上回っています。含み益も+33%ほどあり、結果的には保有してよかった1本です。
ただ正直に言うと、買った当初の狙いとは少しズレがありました。当時は東証がPBR(株価純資産倍率)1倍割れの是正要請を出していた頃で、自社株買いなどで株価が伸びると考えて購入しました。しかし今思えば、2529は純粋な高配当ETFとはやや性格が違います。高配当を狙うというより、自社株買いも含めた株主還元全体に投資するETFでした。
それでも、今では株価上昇とYOCの両面で結果が出ており、監視リストではなく保有リストに残し続けている銘柄です。
私のポートフォリオ全体については、【50代の運用公開】バリスタFIREを目指す私のポートフォリオで公開しています。
まとめ
2529は、単純な高配当ETFというより、株主還元に積極的な日本企業へ分散投資するETFです。金融株を除外しているため、金融主導の高配当ETFとは値動きが異なります。
現在利回りと過去平均利回りを確認しつつ、景気敏感性と株価下落時の利回り上昇を理解したうえで、長期投資の候補として落ち着いて検討したいETFです。
このシリーズの総合比較記事は、「日本高配当ETF・投資信託12本を徹底比較」で公開予定です(公開後にリンク追記)。
免責事項:この記事は情報提供を目的としており、特定の投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。記載の数値・データは執筆時点のものであり、最新情報は各運用会社の公式サイトをご確認ください。

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