「年間分配率30%超って、本当に受け取れるの?」
最初にFEPIの分配率を見たとき、正直、目を疑いました。一般的な高配当株の利回り3〜5%とはケタが違います。半信半疑で調べ始め、少額から実際に買ってみた結論は——「仕組みを理解しないまま飛びつくのは危険だけど、理解した上で少額保有するなら選択肢になりうる」。
この記事では、REX Sharesが手がける高分配ETF3銘柄(FEPI・AIPI・CEPI)の仕組み・分配率・リスクを正直に解説します。
前回のJEPQ・QQQI・QYLD・2865の比較記事の続編として、今回は「超高分配カテゴリ」を深掘り。カバードコール型ETFの基本については「カバードコール系ETFとは?JEPI・JEPQ・XYLD・QYLDを徹底比較」も参照ください。
FEPI・AIPI・CEPIとは?──REX Sharesが手がける高分配ETFシリーズ
運用会社と3銘柄の共通点
3銘柄はすべて米国の資産運用会社「REX Advisers, LLC(REX Shares)」が運用するアクティブ型ETFです。SBI証券では2025年3月3日、楽天証券では2025年3月12日から取り扱いが開始され、日本の個人投資家からも注目されるようになりました。
共通する特徴は3点:カバードコール戦略・毎月分配・高い分配率。経費率はFEPI・AIPIが0.65%、CEPIが0.85%です。
セクター別の違い

各ETFの詳細解説
FEPI(REX FANG & Innovation Equity Premium Income ETF)

| 内容 | |
|---|---|
| 上場日 | 2023年10月11日 |
| 経費率 | 0.65% |
| 年間分配率目安 | 約24〜25%前後(執筆時点) |
| 直近分配金 | 0.9045ドル(2026年4月) |
| 主要構成銘柄 | Apple・Amazon・Meta・Alphabet・Microsoft・Netflix・NVIDIA・Teslaほか(計15銘柄・均等加重) |
3銘柄で最も運用歴が長く(約2年7か月)、3銘柄の中では最も規模が大きいファンドです。大型テック15銘柄を均等加重で保有するため、特定銘柄への過度な集中を避けた構成になっています。
たごさくの実感:FEPIは保有中です。毎月の分配金が安定したキャッシュフローになっており、体験として実感できています。ただ、分配金を受け取っていても株価込みのトータルリターンで見るとプラスとは限らない点は、常に意識するようにしています。資産最大化というよりも、毎月の安心感を得るためのサテライト枠という位置づけです。
AIPI(REX AI Equity Premium Income ETF)

| 内容 | |
|---|---|
| 上場日 | 2024年6月4日 |
| 経費率 | 0.65% |
| 年間分配率目安 | 約34〜40%前後(執筆時点) |
| 直近分配金 | 1.0518ドル(2026年4月) |
| 主要構成銘柄 | Palantir・CrowdStrike・NVIDIA・ARM・Datadogなど |
AIブームを直接反映した銘柄構成が特徴です。FEPIより分配率が高い一方、ボラティリティも高く、AI関連ニュースや市場の潮流に株価が敏感に反応します。運用歴は約1年11か月(2026年5月時点)と、まだ2年に満たない点も留意が必要です。
たごさくの実感:AIPIも保有中です。FEPIより分配率が高い分、株価の動きも荒い印象。分配金は毎月受け取れていますが、株価下落と合わせてトータルで見ると、分配金だけを見て満足できる月ばかりではありません。あくまでサテライト枠として少額で割り切っているから続けられています。
CEPI(REX Crypto Equity Premium Income ETF)

| 内容 | |
|---|---|
| 上場日 | 2024年12月4日 |
| 経費率 | 0.85% |
| 年間分配率目安 | 約41〜47%前後(執筆時点) |
| 直近分配金 | 1.1707ドル(2026年4月) |
| 投資対象 | 仮想通貨マイニング・暗号資産取引所・ブロックチェーン関連企業 |
3銘柄の中で最も新しく、上場から約1年5か月(2026年5月時点)。仮想通貨関連株は値動きが極めて激しく、株価が大きく動くほどオプションプレミアムも高くなるため、分配率は3銘柄で最大ですが、リスクも最大です。経費率も0.85%とFEPI・AIPIより高めな点も注意が必要です。
なお、私(たごさく)はCEPIは未保有です。運用歴の短さと仮想通貨セクターのリスクを考慮し、現時点では静観しています。以降は客観的な解説にとどめます。
FEPI・AIPI・CEPIを徹底比較|3銘柄の違いを一覧で確認

分配率30%超の仕組み|なぜこんなに高いのか
カバードコール戦略でプレミアムを稼ぐ

3銘柄の高水準な分配の背景にあるのが「カバードコール戦略」です。仕組みをシンプルに言うと:
- ETFが対象株式を保有する
- その株式を原資産に「コールオプション(株を将来買う権利)」を第三者に売る
- 買い手からオプションプレミアム(対価)を受け取る
- このオプション収入などを原資として、毎月分配金を投資家に支払う
ボラティリティが高い銘柄ほどオプションプレミアムが高く取れるため、大型テック<AI株<仮想通貨関連の順に分配率が高くなる構造です。ただし、分配金の原資にはROC(元本払戻)が含まれる場合もあり、後述するように「受け取った分配金=純粋な利益」とは限りません。また、株価が大きく上昇した局面では、キャピタルゲインの一部を放棄することになります。
⚠️ 重要:分配率とトータルリターンは別物
ここで一度立ち止まって考えてほしいのが、「分配率」と「トータルリターン」は別だという点です。
たとえば年間分配率が40%であっても、同じ期間に株価(NAV)が40%以上下落していれば、受け取った分配金を差し引いてもトータルの資産は減っていることになります。
分配金を受け取りながら、資産全体では減っている——そういう状況が起こりうるのがこれらのETFの特性です。
「分配率30〜40%って本当に儲かるの?」と感じた方は、ぜひ分配金だけでなく株価の推移もあわせて確認する習慣をつけてください。
ROC(元本払戻)=タコ足配当に注意

高分配率の落とし穴として必ず理解してほしいのがROC(Return of Capital)、日本でいう「タコ足配当」です。
タコが自分の足を食べるように、自分が払った元本が分配金として戻ってきているだけ——という状態のことです。
たとえば、1口10,000円のETFを購入して毎月500円の分配金を受け取っていても、その500円がROCだった場合、ETFの基準価額(NAV)が500円分下がっている可能性があります。受け取っているようで、実質的に資産は増えていない状態です。
実際、REX Sharesは「Current distributions consist of 100% estimated return of capital(現在の分配金はすべて元本払戻と推定される)」という開示を行っていた時期があります。高い分配金の中には、純粋な運用益だけではない部分が含まれる可能性があります。
「分配率30%超=確実に得をしている」とは言い切れない。ここは買う前に必ず理解しておいてください。
FEPI・AIPI・CEPIのリスク|買う前に確認したいポイント
① 株価が下落し続けるリスク
カバードコール型ETFは高い分配金を出す一方、長期的に株価(NAV)が下落しやすい傾向があります。分配金で受け取った額以上に株価が下がると、トータルリターンはマイナスです。
② 分配金が減額・停止されるリスク
オプションプレミアムは市場のボラティリティや相場環境で変動するため、分配金が大幅に減ることがあります。固定の収入ではありません。
③ ROC比率が高いと実質的な利益は見た目より小さい
分配金の中にROC(タコ足部分)が多いほど、実質的なインカムゲインは表示分配率より低くなります。確定申告時にも影響するため、年間のROC比率は必ず確認しましょう。
④ 運用歴が短く長期実績が不明
FEPIでも約2年7か月、AIPIは約1年11か月、CEPIは約1年5か月。3銘柄とも運用歴が短く、10年・20年の長期保有に耐えられるかは未知数です。
⑤ 為替リスク(ドル建て)
すべてドル建てのため、円高局面では分配金の円換算額が目減りします。
たごさくの結論──私はこう使っています
FEPIとAIPIを保有している理由は「資産を最大化するため」ではありません。
バリスタFIREに向けて、毎月のキャッシュフローを少しでも確保したい——その安心感が目的です。毎月分配金が振り込まれてくることは、精神的な支えになっています。
ただ、正直に言うと、分配金を受け取っていても株価込みのトータルリターンで見るとプラスとは言い切れない月もあります。それでも続けているのは、あくまでポートフォリオのごく一部、サテライト枠として割り切っているからです。コア部分はインデックス投資を中心に据えています(詳細は「【50代の運用公開】バリスタFIREを目指す私のポートフォリオ」をご参照ください)。毎月の分配金実績は「【配当金公開】2026年4月は4.7万円|高配当ポートフォリオの中身」でも公開しています。
スタンスを一言で:
仕組みを理解した上で、全力投入せず少額から試すなら「あり」。分配率に惹かれての大量購入は「なし」。
まとめ
3銘柄を一言でまとめると:
- FEPI:大型テック中心・運用歴最長(約2年7か月)・3銘柄で最も安定感あり
- AIPI:AI特化・ボラティリティ高め・分配率はFEPIより高い(約1年11か月)
- CEPI:仮想通貨関連・最もハイリスクハイリターン・運用歴最短(約1年5か月)
どの銘柄も「高い分配率」に惹かれて買うだけでは危険です。
ROC(タコ足配当)の比率と株価込みのトータルリターンを必ず確認してから判断を。
少額でリスクを限定しながら、仕組みを理解した上で付き合っていく——今のところ、私はそんな距離感で保有しています。
免責事項:この記事は情報提供を目的としており、特定の投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。


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