Tracers 日経平均高配当株50を徹底分析|1489と比較しながら投資信託で持つ意味を考える【保有高配当商品深堀り④】

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📌 保有する日本高配当ETF・投資信託 徹底分析シリーズ 第4弾
このシリーズでは、保有する国内の高配当ETF・投資信託を1本ずつ徹底分析します。第4弾はTracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)です。このシリーズの入口となる記事はこちら →日本高配当ETF・投資信託|私が保有する5銘柄と選んだ理由

国内高配当ETFとして存在感のある1489ですが、信託報酬0.308%は正直少し高いと感じていました。そこに同じ日経平均高配当株50指数に連動する投資信託が登場したとき、積立しやすそうだとすぐに感じました。この記事では、Tracersの短期実績を確認しながら、長期の見方は1489と指数の特徴を借りて整理します。ETFと投資信託の違いを理解しながら、「なぜ投資信託で持つのか」も含めて書いていきます。

①Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)の概要

Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)は、日経平均高配当株50指数(トータルリターン)への連動をめざす国内株式インデックスファンドです。

信託報酬は年0.10725%(税込)で、購入時手数料はかかりません。同じ指数に連動する1489の信託報酬は年0.308%(税込)なので、コストの面だけで見ればTracersのほうが低く抑えられています。

決算は年6回、1・3・5・7・9・11月の奇数月です。2026年5月27日時点では基準価額15,424円・純資産総額538.29億円となっています。

②日経平均高配当株50指数とは

日経平均高配当株50指数は、日経平均株価の構成銘柄のうち予想配当利回りの高い原則50銘柄で構成される指数です。単純な時価総額ウェートではなく、配当利回りと流動性を考慮してウェートを決める点が特徴です。

値上がり益よりも配当利回りの高さを重視し、バリュー株的な性格・下落局面での相対的な耐性を期待する指数といえます。ただし、景気敏感株や金融株も多く含むため、株価が下がらない商品ではありません。金利・景気・資源価格・円相場といった外部環境によって動きやすい指数であることは、頭に置いておく必要があります。

③1489をベースに長期データを見る理由

Tracers自体は2024年1月31日設定と、まだ運用期間が短い商品です。長期の価格推移や利回りを確認するには、同じ日経平均高配当株50指数に連動するETF、1489(NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信)のデータを使って紹介します。1489は2017年からの価格・分配金データが揃っています。

なお、1489は2024年1月19日に1口を30口へ分割しています。価格推移のグラフは分割考慮済みの数値で補正しています。

設定来の株価推移を見ると、2020年のコロナショックで大きく下落したあと回復し、2022年以降は上昇基調が続いています。2026年5月時点では3,252円前後の水準です。

株価と利回りの関係を長期で見ると、2020年のような急落局面では株価下落にともない分配金利回りが大きく上昇したことが分かります。現在の利回りは約2.80%と、過去の平均(約3.57%)を下回っています。株価が上昇した結果として利回りが低下している状態であり、高値圏での新規購入には利回りの水準を意識しておきたいところです。

年間分配金は2017年の32.7円から増加傾向にあり、2025年には89.0円と過去最高水準に達しています。2026年は前半時点で46.0円(Q1・Q2分)です。年によってばらつきはありますが、長期では増加基調であることが1489の長期データからも確認できます。

④Tracers単体の実績

Tracersの基準価額は、2024年2月の設定時10,000円スタートから上昇し、2026年5月27日時点で15,424円となっています。途中2024年8月・2025年4月に大きめの下落もありましたが、その後いずれも回復しています。2026年4月には純資産総額が500億円を突破しており、資金流入が続いています。

分配履歴は以下のとおりです。

設定後しばらく(2024年3月・5月・7月決算)は分配ゼロだったことも押さえておく必要があります。

注意したいのは、毎回必ず同じ分配金が出るわけではない点です。分配金額は委託会社が基準価額水準や市況動向を見ながら決定します。

ただ、設定来の実績を見ると奇数月の各決算で1万口あたり100円が継続しています。日本株は3月・9月決算が多く、配当金の入金は2〜3か月後に集中しがちですが、Tracersは年6回の奇数月に均して分配する設計です。季節性を平準化した安定した受け取りを意図した商品といえます。

一方で注意しておきたいのはタコ足配当(元本取り崩し)のリスクです。基準価額が大きく下落した局面でも同額の分配を維持しようとすると、分配金が運用益ではなく元本の取り崩しから支払われる「特別分配金」になる場合があります。分配金の水準だけでなく、普通分配か特別分配かも定期的に確認しておくことが大切です。

⑤1489との分配金の出方の違い

同じ指数を対象にしていますが、Tracers1489の分配金の出方は異なります。

Tracersは奇数月決算の投資信託で、1万口あたりの金額で分配されます。1489はETFで年4回決算(1・4・7・10月)、ETF1口あたりの金額で受け取ります。単位が違うため、金額をそのまま比較することはできません。

分配金を見るときに比べるべきは、金額の大小よりも、決算頻度・分配方針・受け取りタイミング・再投資しやすさといった使い勝手の部分です。受け取りの頻度を重視するなら年6回のTracers、過去の分配実績から利回りを分析したいなら1489、という視点で考えると整理しやすいです。

⑥構成銘柄とセクター

2026年3月31日時点の月報をもとにした上位10銘柄は以下のとおりです(銘柄数47銘柄)。

※データは2026年3月31日時点の月報より。

業種別では卸売業(9.5%)・銀行業(8.7%)・医薬品(8.5%)・輸送用機器(8.0%)・海運業(7.1%)が上位を占めます。鉄鋼・機械・証券なども含む景気敏感・バリュー寄りの構成ですが、医薬品や食料品も含まれており、すべてが景気敏感株というわけではありません。全体として金利・景気・資源価格・円相場・商社金融株の評価に影響されやすい構成といえます。

⑦ETFではなく投資信託で持つ意味

1489はETFのため、市場が開いている時間にリアルタイムで売買でき、指値注文も可能です。価格を見ながらタイミングを測りたい人にはETFの方が向いています。

一方、Tracersは投資信託なので100円単位から購入でき、積立設定もしやすいのが特徴です。日本株高配当指数に毎月少しずつ積み立てたいという人には、投資信託の形のほうが実際に扱いやすいです。

なお、証券会社の設定で分配金を自動的に再投資に回すこともできます。すぐに分配金を受け取る必要がないうちは再投資に回しておくのも一つの考え方です。長期の資産形成を重視するなら、そうした選択肢も頭に置いておくといいでしょう。

⑧1489とTracersの違いまとめ

同じ指数を対象にするなら、長期保有では信託報酬の差(0.308% vs 0.10725%)は無視しにくいです。ただし、ETFにはリアルタイム売買という特徴もあり、単純にコストだけで優劣は決まりません。何を重視するかで選び方が変わります。

⑨理想は低コストのETF

個人的には、信託報酬の低いETFが出てくれるのが一番です。ETFなら市場で売買でき、長期の分配金データも積み上がりやすく、利回りを確認しながら買付判断もしやすいからです。

投資信託の場合、分配金の支払いには運用会社の判断が介在します。基準価額水準や市況動向によって分配金が調整されるケースもあり得ます。

FIRE後の生活を前提とするなら、基準価額を大きく崩さず安定的に分配金を出し続けてほしいというのが率直なところです。低コストETFであればなお良かった、という気持ちはあります。

現状では、1489はETFとしての使いやすさと長期実績を持ち、Tracersは低コストで積立しやすい投資信託という位置づけです。どちらが絶対的に優れているわけではなく、使い方と目的次第で判断が変わる商品です。

⑩こんな人に向いている

Tracersが向いているのは、日本株の高配当指数に投資したいけれどETFを自分で売買するより投資信託で積み立てたい人です。オール・カントリーなど米国中心の投資信託を主軸にしながら、日本株の高配当・バリュー寄りの部分を補う使い方も考えやすいです。

逆に、リアルタイムで売買したい人や、長期の分配金実績を見ながら利回り分析したい人は、1489のほうが比較しやすいです。Tracers単体の実績はまだ短いため、現時点では1489の長期データを参考にしながら購入するのがおすすめです。

⑪たごさくの結論

現時点での保有額は約32万円(含み益約9万円)です。

Tracers単体の実績はまだ短く、YOCや長期利回りの分析は1489の長期データを参考にしながら確認しています。日経平均高配当株50指数そのものには一定の魅力があり、配当利回りと流動性を考慮した50銘柄への分散投資という設計はシンプルで分かりやすいと思っています。

信託報酬の違いは長期投資では大きな影響を与えます。同じ指数に投資するなら、コストが低い方を選ぶのは当然の判断です。だから私はTracersの投資信託版を買っています。今後の純資産推移や分配実績を見ながら、利回りのいいタイミングで追加購入していきたいと思っています。

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免責事項:この記事は情報提供を目的としており、特定の投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。記載の数値・データは執筆時点のものであり、最新情報は各運用会社の公式サイトをご確認ください。

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